旅するチビ熊X

2008年12月 5日 (金)

旅するチビ熊X その2 「チビ熊の燻製は電気羊の夢をみるのか」

 海の一件以来、チビ熊Xは機嫌が悪い。口の利き方もなってない。不貞寝もするようになった。
絶対に俺のせいではない。『真冬に水着ギャルなどいねーっつうの、勘違いしたのお前だろうが』
などとは、おくびにも出さず、このバカ熊と暮らしている。

今日は秋田の名物いぶりがっこの作り方を(勝手に)習いに行く日だ。どうやって作っているのか興味があったので、教えを請いに行こうと思う。誰に習ったらいいのか、見学させてくれるのかわからんが、好奇心が先にたつと周りが見えなくなる鉄砲玉のような性格なので、あまり気にしない。大体漬物なんて、田舎のここいら辺で作っているだろう的な、アバウトな考えで大丈夫だろう。チビ熊にも見聞を広めるのに十分な旅に違いない。え、何?もうちょっと計画的に?あははは、気にしない気にしない、
泥舟に乗ったような気持ちで、どーんと構えろ。まま、いがら、チビ熊よ、まづ、あんべ。

「あんべ?あんべって何?」ときょとんとしたチビ熊X。 「ついて来いって意味だ。行ぐど、ぐぐどせっ!!」

閑話休題。方言って表記すると、とたんに意味のわからない言葉になってしまいますよね。
ちなみに 『ぐぐどせっ』は『早くして!』という意味です。語源は知りません。
なんだこの『ぐぐ』って?ランバ・ラルが乗っていたモビルスーツか?
すみません。本編に戻ります。

いぶりがっこで有名な横手市山内は遠いので、由利本荘市内でいぶりがっこを作っている人を探してみた。これが、なかなか見つからない。普通の大根漬けなら、作っている人はたくさん居るんだけどなあ
方々手を尽くし、刑事ばりに聞き込みをし、ようやく見つかった。いぶりがっこを作って10年。いぶ
りがっこマイスター、村上A子さんだ。俺のうちから車で15分程度にある由利本荘市鳥海町長坂地区の住人だ。
なんかメーテルリンクの『青い鳥』みたいな話だ。幸せの青い鳥を探して旅したけど、見つからず結
局、自分の身近な所に幸せの青い鳥は居た、みたいな。
村上さんはいぶりがっこだけでなく、地元の郷土食や特産品も数多く作っているスーパー田舎の母ちゃ
んでした。面白い話がいっぱい聞けたので、それはまた、何かの機会に。

「ふああ、むふー。どこだここ?」 「ああ、熊公寝てたもんな。ここは長坂ってとこ。」

「ずいぶん遠くまで来たなあ。車で揺られているうちにすっかり寝てしまったよ。ふわあ、あくびが出る出る」
「それが、その。俺んちからそんなに離れてない所なんだ・・・・」 「ええっ!!あんな車に乗ってたのに!?君、人探しの才能ないよ。なさ過ぎる。いぶりがっこについてもっと下調べをしてからだね、地元の人の協力を得てだな、!!、お、おっさん!小屋から煙が出てる!!火事じゃあねえの!!」Photo

小さな小屋から煙が出ていました。ぼやにしては煙の勢いはない。そっと小屋を覗いてみると大根が乾してありました。あ、ここだなヽ(´▽`)/。見つけた。村上さん家。

「すみませーん。あ、村上さんですか。あの、急な申し出で恐縮なんですけど、いぶりがっこ作ってるって聞いてきたので、作っているところ見させてけねすべか?」と恐る恐る訊ねる。


「ん?何、がっこが?んだば、見でげ」 「いえ、あの、漬けるところもできれば・・・」
「ああ、まだよ。でごん(大根)まだひでね」 「ひでね?何すか?ひでねって」

「ああ、干からびるの『ひる』よ。まだ乾燥終わってないからよお、あと数日したら漬け込むんだ。」

「それは残念。どのくらい乾すんですか?」 

「1週間は乾すなあ。火の力ってすごいんだあよ。水気すぐなぐなる。」

などなど、なぜか村上さんの生い立ちや人生相談や井戸端話も交え、あれこれ聞かせてもらいました。

残念ながら、漬け込む工程は見れそうにないけど、それでも十分に収穫があった気がします。
雪の多いところでは、大根を寒風にさらす前に、雪が降ってしまうから外に干せず、囲炉裏の上に干し
たから、煙でいぶす独特の漬け込み方になった事や一週間ずっと火を絶やさないで、燃やし続けているので根気が要る事。燃やす薪も落葉樹が適していること。杉はダメ。大根のほかに人参、手羽先、鮭の塩引き(北海道名物鮭トバになる!)などを燻製小屋に入れていることなど教えてもらいました。

「ん、あど帰るが?せば、燻製小屋どこ、まず見で行げ。」と、村上さんと燻製小屋まで来た。

Photo_2 Photo_3

「ありがとうございます。それでは遠慮なくお邪魔しマース。うわあ、煙いっすねえΣ( ̄ロ ̄lll)。前が見えない。げほげほ。目にしみますcrying。大根や人参はこうやって吊るして乾しているんですねえ。げほげほ。あの、ペットもいるんですが、そいつにも見せてもいいすか?」と聞いてみた。

恐れられるかもしれないので、人前では言葉を発しないよう、きつく言い聞かせておいたので大丈夫だろう。

燻製小屋の前で、手提げバックの中からチビ熊を出した。

「げふ、ごほごほ。煙いぃぃ(`Д´)。この野郎、死なす気かannoy!!」 

「うわ、いきなりしゃべるな。ばれるわっっ!( ̄◆ ̄;)」

Photo_4

捕まっちゃったチビ熊Xといぶりマイスター村上A子さん

煙が服と目にしみる、とってもハードボイルドな一日でした。ちなみにこの燻製小屋、元は車庫です。ワイルドです。うーん、マンダム。Photo_5

☆チビ熊Xの覚えたこと

燻製小屋は超煙い。目が開けられない
大根の燻製は1週間、吊るしっぱなし。鮭トバもできる。
おばさんに抱っこされるのは嫌いじゃないが、正直、絞め殺されるかと思った。

★飼い主Jの感想

いぶりがっこ作りは思ったより、根気が要る仕事だなと思った。火事場で仕事しているような感じで、煙の量ははんぱない。消防隊員だったらうまくできそう。あ、煙が出たら消すのが仕事だから、向いてないか。村上さん、いろいろありがとうm(_ _)m!今度はいぶりがっこ食わせてね。←ドあつかましい

◎今日の見学ポイント

横手市の山内地区などで、いぶりがっこ講習会などやっているかも。由利本荘市ではあまり漬けている人は見ません。比較的雪が少ない地域だからかな?俺んちは多いけど。いぶりがっこを食べたことのある人もない人も、見かけたら、雪深い地域の暮らしに根付いた漬物だってことを思い出して欲しいです
                                                   

                                                  (飼い主Jの報告でした)

2008年11月18日 (火)

旅するチビ熊X その1 「チビ熊、大地に立つ」

Photo_8なんでか知らんが、みょうちくりんな生き物と暮らし始めて3ヶ月が経つ。
8月の異常に暑かった夜、のどが乾いたので水でも飲もうかと
台所に行ったら、こいつが居た。冷蔵庫を漁っていた。

その後、いろいろあったのだがここでは詳しく書かない。ありすぎて
何から書いていいか収拾がつかなくなるからだ。

今じゃ、すっかり家族の一員。料理の準備や洗濯、掃除、言葉も覚え、
ガンプラまで作れるようになった。高度な知的生命体であることがわかった。

好奇心も旺盛で、毎日新聞を読み、ネットで知らないことを検索し、お前はウィキペディアの住人かっていうぐらい、知識を溜め込んでいる。

害もなさそうなのでしばらく飼ってみることにした。
とりあえず、なにものかわからないので、仮にX(エックス)と名付けた。

3ヶ月も家の中にいると、あちこち出歩きたくなったみたいで、
しきりと外に出たがる。隙あらば首輪を外そうともがいている。

大騒ぎになって、メディアにさらされたくはないが、
見た目が人形そっくりなので、生き物だとは誰も思わないはず。

ま、ばれなきゃいいか。ばれたら、どっきり大作戦のふりして、逃げ出そう。

そんないいかげんな気持ちで、こいつを外の世界に連れ出すことにした。
ちょうど俺はインターネットボランティアしていることだし、
ネタ探しを兼ねて、見聞を広めさせることにした。

おっさんとチビ熊人形(見た目が)という一歩間違えば、変質者として通報されかねない
危うい珍道中の始まりだ。

「おい、チビ熊。どさ行ぐ?」
「海が見たいですsweat01
「お、山ばっかり毎日見でだがら、海ってやづ知りてぐなったが」
「はい。見てみたいですmist。ぜひ、お願いしますっup
「へば、とびっきりいいどさ連れて行ぐが。セレブな気分が味わえるプライベートビーチさ
 招待すんべhappy01

Photo_11

「着いたど。ここが海だ。日本海だど。俺が地元で一番好きなスポットだ。どんだ?いい眺めだべぇ。さながらプライベートビーチのようだべ?good

見渡す限りの高い空と、流れる雲。水平線を独り占め。ゆっくりと夕日が日本海に沈んでいく様は、
言葉にたとえようが無いくらい、美しい。

晩秋の日本海の荘厳さは、この時期にしか味わうことができない。

「寒くて誰も居ないだけじゃないかdown。せっかく海に来たのに水着ギャルもいないしsweat02
「あ?何ぶつぶつ言ってんだ?」
「何のために、何のために、今まで猫を、いや熊をかぶってきたと思ってるんだっ。俺の、水着、青春を返せーっ泣crying
「泣くほど感動したか。わはははっhappy01いいとこだべえ。ここにくるたび、心がすがすがしい気分になる
んだ。annoy痛だだだ、噛むな、痛でっっ。何したなや?え?水着ギャルvirgo
今の季節いるわげねーべsweat02。夏に来ねど見れねよっ、あだりまえだべしゃ!!」

前言撤回→高度な知的生命体×。低級恥的生命体○。

Photo_10

(プライベートビーチでとほうにくれるチビ熊X)

1 

☆チビ熊Xの覚えたこと

海=水着と勘違いしないこと。寒いと海に水着はいない。
泣いた後、見あげた夕日は幻想的。
高い山(鳥海山という)のすぐそばに海があるのは、珍しい。

★飼い主Jの独り言

Xの存在は認めてはならないし、この世に存在してはいけないと考えつつ、
「ま、それもありだな」と軽く片付けられる俺はすごいと思う。
肝っ玉が太いというか、なんだべな。
大物の器ってやつでねべが?
この生き物どご研究して、ノーベル賞取れるんじゃねべが?
ああ、今日も夕日が素晴らしなぁ。俺の前途を祝福しているよだな。

◎夕日鑑賞スポットのご案内

7号線上の海岸でなら、どこでも見れます。(夕方晴れていたらね)
夕日100選にも選ばれた、象潟海岸などもベスト。
ただし、秋田県は晴天率が低いので、事前に天気予報を確認すべし。
台風前後の大気が乱れる晴れ間の日は、空がおもしろい変化を起こすので、一見の価値あり。

紫色に染まる夕焼け空を、君は見たことがあるか!
俺は、ある。仁賀保高原で。20秒間が永遠に感じられる美しさだ。

Photo_12 (飼い主Jからの報告でした)

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